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羽住 都 (ハスミ ミヤコ)

Author:羽住 都 (ハスミ ミヤコ)
絵を描く仕事をしたりしています('96~)。
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カラーメイキング/「魔帝の血脈2」編

※このメイキングは以前公認サイトの日記にて紹介したものに、新たに画像等少し加えたものです。

(C)2008-Miyako Hasumi

メイキングっぽいの1
2007/10/25(Thu) 18:26

「魔帝の血脈2」が発売されました。
表紙の絵の製作過程を少しだけ撮りましたので、載せてみたいと思います。


(C)2008-Miyako Hasumi
まず、Bのシャーペンで下描きした紙(ホワイトワトソン)を、水張りしたところです。
線が見やすくなるように画像を暗くしましたが、本当は下描き線は大変薄いです。

サイズはA4くらいです。
画集に載っているこのシリーズの絵はほぼ原寸です。


メイキングっぽいの2
2007/10/26(Fri) 17:50
(C)2008-Miyako Hasumi
水で薄めたカラーインクのセピア(ホルベイン)で鉛筆線をなぞります。
乾くと耐水性になります。
ペンは、ゼブラの丸ペンです。
水で薄めるのは、私にとっては、色が濃すぎるからです。
例えばモノクロの漫画のように、線を重要とは思っていませんので、線自体を目立たせるつもりは無く、この時点では目安程度に思っているからです。

なぞる場所は、物と物の境目や、色塗りの仕上がりが濃い予定の部分、セピアと同系色の部分等です。
目、鼻、口等はなぞりません。
顔と首の境目もなぞらないことが多いです。
隣り合う面の色を変えることによって境目をハッキリ表現させる部分、ぼかしたい部分、もしかしたら変更がありそうな部分、柔らかく表現したい部分、服のシワ(色が薄い予定の場合)等、細部はなぞっておかないことが多いです。
ただ、仕上げたい絵の雰囲気によってはなぞったりもしますし、すべてをなぞらないこともあります。

今回は髪の色が金髪の予定でしたので、鉛筆の色よりセピアの方が馴染むので、髪もなぞりました。

(このシリーズの絵の場合は、バックが白抜き出来るようなデザイン性がありますので、最終的には輪郭線を描きます。それは後ほど・・。)


メイキングっぽいの3
2007/10/27(Sat) 22:28

だいたいなぞり終わったら、紙が傷まないようにケシゴムを優しくかけ、全体にマスキングシートを貼ります。

どんな雰囲気の色に仕上げたいか徹底的に考え、仕上がりを想像します。
悩み続けて1日が終わっていったりすることもあったりします。
とにかくこの時間は重要だと思います。
結局ちゃんと決まらなかったりもします・・。

だいたい想像しまくったら、その雰囲気の絵にするためには透明水彩の性質上どの部分から塗るのがベストかを考えます。
とはいえ、仕上がりの想像がちゃんとできていれば、どこから塗っても出来ないことは無いと思います。はみ出したりしないようにを気をつけられれば。

とりあえず、主役の人物以外を塗ることにしました。
ヘビの部分だけ、マスキングシートを切り抜きます。

主役よりも目立たせないように、描き込みし過ぎないように気をつけます。
最初に手をつけはじめた部分に集中してしまい、描き込みし過ぎてしまうというのは、ありがちな失敗です。
描き込みし過ぎると、そこが目立ち、奥ではなく、手前に来てしまいます。
全体の描き込み具合や色具合にもよりますけども。

(C)2008-Miyako Hasumi
最初に水塗りをし、薄く白を塗り、乾かないうちに、色をのせていきます。
予め色決めをしておかないと、スムーズに出来ません。
予め作った色をパレットにのせておくと良いです。
ヘビ自体の手前と奥の位置の関係も考えながら塗ります。

白を塗っておくことによって、淡く、ぼかし易く、奥を感じさせる色になるっぽいです。
白っぽい絵の具を混ぜると、不透明色になります。
透明な色ほど発色が良く、手前の色を表現し易いっぽいです。(私的にはそう思います)

乾いてから物足りなさを感じたら、柔らかい筆でさらに上から水塗りをし、色をのせます。やり過ぎないように気をつけます。
ちなみに、どう塗っても気に入らない時は、筆で水をがしがしと塗って、ティッシュで拭きとって、やり直したりします。
紙が傷み、最初の塗り味と変わってしまうので、これもやり過ぎに注意です。
やり過ぎたら最初(下描き)からやり直したりしてしまいます。時間があれば。

(私の場合、透明水彩の使い方というのを誰かに習ったわけではありませんので、この方法が正しいとかではありません。あくまで私のやり方です。
画材は使い込んで、自分なりに感じておくのが良いと思います。
とはいえ、未だに緊張しますし、透明水彩は難しいなと思います。)


メイキングっぽいの4
2007/10/29(Mon) 11:36

続けて、葉っぱもヘビと同系色に見えるように塗りました。
主役以外は全部背景という感じにしてみました。
近くで見ると色んな色を使っているように見えて、遠くからみると単調な色使いに見える感じです。

次に人物の肌を塗りました。
肌はきめ細かくホワっと柔らかな感じに塗りたいので、やはり水塗りをして白を塗り、それから乾かないうちに色をのせていきます。
予め使う色を作っておき、塗る色の順番や仕上がり具合を想像しておきます。
(C)2008-Miyako Hasumi

髪が金髪だということを想定して、髪の影になる肌の部分に髪の色から影響をうける色を塗ります。黄色っぽい映り込みを。
髪の生え際まで広めに肌色を塗ります。髪と肌の境目を自然にするためです。

顔と首が別物であるということを線無しで表現するために、顔と首にしっかりと色の変化をつけます。
鎖骨も自然に見えるように乾かないうちに塗り残すようにします。
塗り残すとは言っても、今回の場合そこが真白では目立ち過ぎますので、先に肌の色を全体に塗り、乾いてからまた水塗りをし、その部分を塗り残します。
うまく塗り残せなかった場合は、ティッシュでふき取るなどして、自然になるように努力します。

しっかりと影を入れたい部分は、乾いてから絵の具をのせます。

目や口を筆で描き込んでいきます。
この画像は細かく手を入れる前ですが、この時点で顔を描き込み、顔部分はほぼ仕上げてしまいます。
私の場合、顔がハッキリしないとやる気といいますか愛着が湧いてきにくいので。
それと、私の性格上、先に重要な部分を描いておかないと、後々時間が足りなくなって手を抜きがちになってしまうからです。
絵の具の性質だけでなく、自分の性格も考えて、塗り進めましょう・・・。
とはいえ、背景より先に肌の色を塗るということはあまり無いです。
背景や世界の色の雰囲気で、肌の色も決まってくるからです。

手、腕は、まだ塗りません。
衣装を広く柔らかに塗りたいのです。腕を塗り残しながら衣装を塗るという気を使いたくないので、マスキングをしたままにしておきます。
腕は衣装の影になりますので、衣装を塗ってからの方が、衣装の色の映り込みのある自然な影の色を想像し易いです。


メイキングっぽいの5
2007/10/30(Tue) 01:20
(C)2008-Miyako Hasumi
描き込むと、こんな感じになりました。
(描いている視点で撮った写真ですので、正面からのものではありません。)

私はこのように部分部分を塗っていくという進め方ですが、普通は危険な進め方だと思われます。全体を満遍なく塗り進めるのがバランンス的に良いと思われます・・。

けれど、私が透明水彩で表現したい仕上がりは、乾かないウチに塗り重ねるという方法が基本ですので、狭い範囲の部分部分に分けて塗り仕上げていかないとならないことになります。
ですので、仕上がりを想像しておくことが大変重要なのです。

髪の部分のマスキングも切り抜き、塗ります。
髪はその部分だけに集中すると失敗しがちです。
顔と繋がっている一緒の丸い頭だということを念頭におき、影を作るようにします。
とにかく、すべてが一体である。ということに気をつけておかないと、この絵柄でこの塗り進め方は難しいです。たぶん・・。
未だにうっかりします。
むしろ、うっかりし続けています。
うっかり人生です。

なので、備えてみたりもします。(主に絵についてだけ。)

下絵のコピーに鉛筆で影を入れておくと良いかもです。
その時、大きな絵ではなく、小さめの絵につけた方が全体を一体と捉えやすいです。
小さい方がデッサンの崩れもわかりやすいと思います。
遠くから絵を見て、全体を確認するのと同じことだと思われます。
遠くに行かず、手元でちまちま。
小さく絵を描いてから、それを拡大コピーして進めるということを私はよくします。
あ、色決めも、コピーに色鉛筆等で塗って決めておくのも良いです。
昔はよくやっていました。


メイキングっぽいの6
2007/10/31(Wed) 00:38

次は衣装を塗りました。
手前側のショールっぽいのではなく、奥側の黄色っぽいドレスからです。
そこだけまたマスキングを切り抜き、塗っていきます。
その様子は写真を撮っていません。
塗り方は今までと同じです。
濃い色のものが近くにある時、薄い色のものを塗る時は、濃い色から影響を受ける映り込みに気をつけると良いです。
逆も同じなのですけど、薄い色への影響の方が強く感じるかも?

その後、手前側のショールっぽいのを塗りました。
濃い色を塗ると、下描きの線がわかり辛いです。
そこで、先に影の色を青紫系で塗ってみました。
実は初めてやってみました。
私は水塗りをして色をのせていく方法を取るので、何度も重ね塗りをしてしまっては、紙が傷み、仕上がりが思い通りにいかないような気がして怖かったのです。

とはいえ、線が解り辛いのも怖いです。
透明水彩は重ねて塗ると、下に塗った色が透けますので、この方法は良いのだと思われます。
と、いいますか、普通はそうするのかも・・?
今までは、ぶっつけ本番と申しましょうか、濃い色もなるべく乾かないウチに影をつけつつズバっと塗っておりました。

(C)2008-Miyako Hasumi
そんなわけで、画像のように塗り進めてみました。
右腕にかかっているショールっぽいヤツの色が、同じように塗り進めて仕上がった色です。
最後は同じ色になります。
なかなか良かったです。
怖い時はこうしよう。
すべて怖いですけど。

ウネウネの模様っぽいのは、マスキングシートを切り抜き残したものです。
私の場合はですが、マスク液よりも、シートの方がこのような細い線のようなものでも仕上がりがうまくいくような気がします。

今回は使用していませんが、マスク液は瞳の光の点や、顔や唇の艶のために使うことが多いです。
ハイライトですね。だいたい「点」程度のもの。

(マスキングシートというのは、貼ってはがせるセロハンテープのようなサランラップ状のものです。
マスク液というのは、ゴムが液体になっていて、筆で細部を塗ることができます。乾くとマスキングシートと同じ役割をします。ただ、はがす時に紙も一緒にはがれることがしばしばであり、筆が傷みます。固まります。専用の液体で洗っても微妙な気がします。でも便利です。)


メイキングっぽいの7(最終回)
2007/11/01(Thu) 15:57

あとは、まだ塗っていなかった、手や腕を塗ればほぼ完成です。
後から塗ることによって衣装の影響による腕の影の色を捕らえ易いです。

周りのフチも、色をつけます。
絵になじみそうな色を場所によって変えながら塗っていきます。

最後に筆で輪郭をなぞり、絵を引き締めます。
初めにも言いましたように、このシリーズの絵の場合は、描いたところ以外を白く切り抜けるようなデザイン性がありますので、主に切り抜ける部分をなぞると全体がふんわりし過ぎずに良い感じになる気がします。
(C)2008-Miyako Hasumi
色はパレットにある色を適当に混ぜて使います。
赤紫に黄土色を混ぜた感じの色を使うことが多いです。
(C)2008-Miyako Hasumi
模様っぽい部分も、少し色をつけました。
模様は魔法をイメージして適当に描いたものです。
私にとってはこのウネウネを描くことが最も自由で楽な部分です。

これで完成です。
裏に鉛筆でサインと日付を書いてあります。

やっぱりここはもう少し濃い色にしたかったな・・とか思っても、まぁまぁの出来なら手を入れない方が無難です。私の場合は。
透明水彩の場合、ヘタに手を入れ過ぎると最後の最後で失敗なんてことにもなってしまったら、修正することは難しいので。
透明水彩らしさを残すよう、いかにもサラっと塗りました風に終わらせたいのです。
反省は次の絵に活かしましょう・・・。

でも、鉛筆でちょっと手を入れたりとかそういうのはします。
今回も、顔のシワを鉛筆でちょっと濃くしました。
どうしようもない修正の場合は、パステルを使用したりします。
パステルが登場すると、私的に負けた気になります。

そんな感じで、修正に気を使いまくり始めると、こんなことなら最初からやり直してしまえ!!と思い始めてしまいます。

サラリと頑張りましょうです。

どうだったでしょうか?
楽しんでいただけていましたら幸いです。
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